阿呆が

厄介

厄介

勿論翼は昼間主の学生なのだが……

「え〜と……」

翼は部屋に置かれた物品を見つめる。大概の物は埃を被っており、その存在意義が何なのかまでは推測できない。それらの物品はどれもが魔術めいていたり、あるいはやたら科学めいていたりと相判するものがないまぜになっている。

実用的なものは少なそうで、カセットコンロ、机に置かれたデジタル式の時計、換気扇に、壁にかけられたカレンダー位が常識的なものだろうか。

ここが何部かはわからないが、望遠鏡がある事を考えると天文部なのかもしれない。

「それに……どうしてここに来たの? 今は新入生の勧誘をしている時間帯だし」 

どうやってあの勧誘を潜り抜けて来たの、と怪訝そうに尋ねる。

「ええ。何かフラフラしてて、ここに行き着いて、つまり……」

幾分顔を赤くし、頭を掻く。

「迷子になっちゃいました」

はぁ、と溜息をつく。彼女は幾分暗めの表情で、

 「今、手を離せないの。悪いけど……」

 室外から誰かがドタバタと駆け抜ける音。それとほぼ同時にびしゃ、と唸りをあげるようにドアが開け放たれる。

 彼はすぐにドアを閉め、ほっと一息つき、

 「ふうぅ……うん? 翼、どうしてここにいんだ?」

 「え、卓? どうしてここに?」 

 「ちょ、ちょっと君達……一体何を……」

 彼女は困惑気味に卓に尋ねるが、

 「やべえぞ翼。あいつら思っていたよりも相当厄介だ」

 汗を袖で拭いながら青い顔で卓は呟く。

が、その呟きの余韻を破砕する……